パテ
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車のボディで凹んだ箇所はハンマーで元の形に修正しますが、やはりハンマーだけではツルツルの表面にはなりません。
この少し凸凹している範囲を滑らかにするには、パテと言うペースト状の物を塗りつけ、それを固めた後にヤスリなどで研ぎ落とし、滑らかに形作っていく作業が必要になります。
↑上の黄色いのがパテです。
「腕のいい鈑金屋さん」と言うのは鈑金した箇所の塗装の表面が滑らかであるかどうかだけではなく、パテの厚みでも判断ができます。これは見た目ではわかりません。
パテが厚いと言うことはベースとなる鉄板を元の状態に近づけるのが下手でパテでごまかしていると言えます。
パテが厚いと言うのは本来の車の状態からしたら不要な異物がボディ表面に付着している状態なので、出来るだけ薄い方がいいのです。厚いとパテが割れたり、鉄板の熱膨張や水分の影響で内部で剥がれてしまってボディの表面が後にデコボコしてきたりといいことは1つもありません。
入庫されてくる車というのは、よく同じところをぶつけてしまうユーザーさんが多いらしく、鈑金しようとして塗膜を削り落とすと、その下にある昔直したと思われる鈑金したパテが見えてくることがあります。
基本的にこの古いパテも削ぎ落とすのですが、ここではじめで鈑金屋さんは他の鈑金屋さんの腕前を見ることが出来るわけです。
それこそパテの種類も様々で色も違いますし、上手いなーと思う鈑金もあれば、パテが厚すぎてもはやパテで造形!?してあるような鈑金もあります。
一見して表面はどれも綺麗でも、その塗膜の下には鈑金屋さんの腕や個性が潜んでいるのです。