パテって何か知ってる?それは意外と重いんだよ。
解説!
鈑金塗装で確実に使用する材料があります。それがパテです。
パテの存在が身近過ぎてお客さんにも普通に『この傷だとパテをこの範囲で盛ります』なんてうっかり使ってしまっている気がして。
はたしてお客さんはパテと言われてなんなのかわかるのだろうかと思いましたので、パテとやらをご紹介します。まずわかりやすいように鈑金の流れを見ていきましょう。
次ですよ!パテの登場!
さっきの鉄板に黄色いものを塗って行きます。しばらくすると硬化します。これがパテです。メーカーによってパテの色は違います。主成分は樹脂です。
これをヤスリで研いでいき形を整えていきます。
パテは意外と重い。そして厚盛りは不都合が生じやすい。
上の写真はパテをこねる時に使っている鉄板です。重さは鉄板込みで424グラムあります。
そしてこのパテを削ってどれだけ軽くなったかを確認します。鉄板自体の重さは398グラムですね。つまりパテの重さは424-398=26グラムということです。
単三乾電池一個分よりも重いです。
あのパテの薄さで単三乾電池一個分の重さがあるのでもっと大きい面積でもっと厚く盛っていたらなかなかの重量になりますよね。
パテは薄いとひび割れしにくい。
パテは基本はカチカチに固まって厚いところをハンマーで叩くと割れるものですが多少の柔軟性がありますので薄ければひび割れはしにくいです。
パテは厚いと後々エラーが出やすい。
パテをつける範囲が広ければ広いほどどうしてもパテの厚さは大きくなってしまいます。そして、デコボコの上にパテを厚く盛って整形するとデコボコの中にサビの残りや空気、また、パテ自体の中にも空気を閉じ込めてしまいやすくなってしまいます。パネルを交換すべきところを、予算の都合でどうしても安く直して欲しいと言われてパネルを交換せず厚めのパテを打たざるを得ない事もありますが、そうした場合、例えばこれはパテの中でサビが広がってしまい塗装表面にデコボコが発生した事例です。パテの中に空気が混入していたりすると寒暖差で膨張と収縮を繰り返して後々ぶつぶつになって塗装表面に現れたりもします。また、そこそこ重量のあるものですので、施工した箇所をまたぶつけてしまうと大きな亀裂が出来てボロボロとめくれてしまう事があります。 そうした所をハンマーで軽く叩くとパキッ、カラン♪と言って地面に落ちます。
鈑金塗装工場は数多ありますが、その技量も直し方もとても幅広いです。安くやってくれるところが見つかった!と隣り合わせで無理矢理直すことには後々のリスクも存在します。
上手い下手の技量の、見分けはつきませんが、この業界の作業の大半は時間をかけて丁寧に作業すれば一定レベルの仕上がりにはなります。説明などの対応の仕方等、作業をする人の性格というのも、任せられる工場選びには大いに参考になるのではないでしょうか。