鈑金塗装がわかる!タマゴを直してみた!
解説!
鈑金塗装ってどうやって直してるのかわからない!という方のためにタマゴのおもちゃを例に鈑金塗装で解説していきます!
今回の直すものは私が塗装したタマゴ
今回修理するのはこちらのタマゴです!
半年前にゲームセンターでとったもので、捨てられずに塗装して飾っていました。タマゴはアルミ素材で縦に割れ、構造で2つの殻で構成されています。こちらのタマゴを自動車にみたてて直していきます。
まずは事故をおこします。
タマゴの片側に大きな凹みと擦り傷が出来ました。
鈑金編
まずは事故を起こしてしまった殻の方を修理しやすいようにタマゴを分解します。
この時点で4つの直し方があります。(下に行くほど技術力がいるが費用は安くなります)
- 事故した殻を純正新品交換する
- 事故した殻を正規メーカー以外のコピー殻と交換する
- 中古の殻を買ってきて少し修理して交換する
- 事故した殻を修理する
今回は交換では無く鈑金ですので一番下の選択肢になります。
鈑金塗装で使う道具は4種類
①ハンマーで凹んだところを裏から叩く
まずはこの凹みをハンマーを使って形を戻して行きます。
一見元に戻っていますが、裏が凸凹しているように表面もデコボコしています。これ以上はいくらハンマーで叩いても綺麗にはなりません。
※ハンマーで出来るだけ元の形に近づけられるのが良い鈑金です。
②パテを盛る
この凸凹をさらに滑らかにするべく、パテという材料を使っていきます。パテの特徴は最初は泥のように液体状なのですが、硬化剤と混ぜる事で固まる性質があります。固まったパテは紙ヤスリで削る事が出来ます。
表面を削り滑らかにしたのですが、実は少しまだ凸凹していました。ハンマーで叩いた所は凸凹しているので出過ぎているところはアルミが見えています。
ここで納得行くまでパテをやり直すかどうかで良い鈑金が出来ているかどうかが決まります。
※納得出来るまで何回もパテを盛るのは根気がいる。きちんとかたちになるまで削れるのが良い鈑金です。
余談ですが‥
このパテについてですが、大きな事故を修理するほど、基本的には分厚く塗る事になります。ハンマーでの修復にも限界があるからです。
分厚いと何がいけないかピンと来ないと思いますので極論の写真を撮りました。こう言う事です↓
ボディーの表面に正規には無いパテの大きな塊がへばりつくという事です。でもこれでも削って形を整えれば外見上は全くわからなくなります。あまり気持ちの良いものではありませんよね。耐久性の面でも剥がれたり後々塗装面に変な模様ができる可能性が出たりもちろん問題があります。
つまり大きな事故をして鈑金屋に持ち込んだとき『修理は難しい』と言われるのはこのためです。ハンマーで直すのにも時間がかかるのでそれなら交換する方が安くて良いとなるわけです。修理はしようと思えば出来ますがやめておいた方がいいと言う事です。
事故を見て修理が難しいと言う鈑金屋さんは、技術が無くて直せないと言っている場合と、トータルで判断してお客さんさんの為を思って言っている場合と2通りあるのです。
ちなみに儲けの視点で言えば鈑金塗装屋さんは部品を売って儲けているわけではありませんから、新品で交換して費用が高くなってもそのまま直してもどちらでもいいのです。
むしろ修理をした方がトータル見積もりは安くなりますし、部品代の代わりに修理する分の工賃が発生しますので、修理を選択していただいた方が儲かると言うことになります。
ですので『修理しましょう!』とゴリ押しをする鈑金屋さんの見積もりが安いから良心的だと考えるは一旦立ち止まった方がいいです。
塗装編
形が出来たので次は塗装に移っていきます。
色を作る
色は調色作業と言って、塗料を組み合わせて毎回オリジナルの色を作っていきます。
なぜ毎回作っているのかと言うと、色は日焼けがしますし、実は微妙に個体差がもともとあるからです。
調色は塗料一滴で色味が変化するものですのでとても時間がかかります。
※色がぴったり合うまで妥協せずに調色出来るのが良い塗装です。
塗装開始
実はこのタマゴはキャンディ塗装と言って透ける塗料を使っています。普通の車には無い特殊な塗装ですので調色は行いません。ですが塗る回数によって色味が変わってきますので、塗装しながら色を合わせていきます。塗装の回数で色を合わせて行くので難易度は高いです。
色を塗ったら透明なクリアー塗料で保護をしてあげます
これで鈑金塗装が終わりました。どこから見ても事故があったようには見えないでしょう。
ミス!なんか違和感が!!
出来た出来たと喜んでいましたが、よく見ると色合いが違う事に気づきました。それは最初に塗ったシルバーの粒子の大きさです。
塗った右側のシルバーの方が荒いです。どうやら違うシルバーを使ってしまったようです。
これでは正規の修理依頼だったら塗装のやり直しですね。きちんと塗る前に試し塗りで確認をしておくべきでした!!という事で、一つ一つ確実な作業が必要です。
※ひとつひとつの工程を丁寧に出来るのが良い塗装です。
以上!反省をふまえて鈑金塗装の作業工程でした!