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時代の流れは水性へ?AI調色と水性塗料の講習会に行ってきました

NEWS 

こんにちは!城鈑金塗装工業のタチです。 早いもので今年もあと少しですね。

さて、先日(11月某日)、私単独で塗料卸会社主催のユーザー会に参加してきました。

毎年開催しているそうで私は初めての参加。今年は水性塗料とカーコーティング技術の講習会でした。

自動車の塗装業界も、環境問題への配慮から「油性(溶剤)」から「水性」へとシフトする動きが世界的に進んでいます。ディーラーさんなどではすでに水性塗料の導入が進んでいるところも多いですね。

体の負荷が少ないのでうらやましいなと常々思っていましたが、いよいよ本格的に勉強が必要な頃合いです。

私たちも最新の技術と知識を学ぶべく、まずは座学と実演の勉強会です。

座学にて勉強

今回の講習では、関西ペイントさんの「RETAN WB ECO EV」という水性塗料について学びました。

そして、今の時代はやっぱり「AI」です! 色の調色(色合わせ)も、職人の勘だけでなく、AIカラーシステムを使ってデータ化し、マッチングさせる時代になってきています。

今の時代はAIですね
カメラで色を作った後での比色の様子。一発目では色は違いましたが2回目の修正では合格点に到達した

講習会場には塗装ブースがあり、実際にその場で塗装の実演を見学しました。 大勢の同業者が見守る中、プロの技が披露されます。

左水性塗料 右溶剤油性塗料の同時進行実演 同じ作業でどのくらい時間が違うのか皆興味深々

ここで驚いたのが、水性塗料の「クリヤー(上塗り)」です。 クリヤーという名前ですが、液体の状態だと白いんです! これが乾くと透明になるそうですが、普段油性を使っている私たちからすると不思議な感覚です。

水性塗料のクリヤーはクリヤーなのに液体の時は白色なのだそう

そして、肝心の水性塗料の最大の課題と言われるのが乾燥です。 油性のように揮発が進まないため、専用の温風ドライヤーを使って強制的に風を当てて乾かす必要があります。 テストピース(色見本)一枚乾かすのにも、こうしてドライヤーを使わなければなりません。

水性塗料はテストピースも温風ドライヤーで乾燥 溶剤だとスプレーガンの冷たい風でもすぐに乾燥する
これがドライヤーだ!
水性なので揮発が進まない。なので手にホースをもってまんべんなく乾燥させる

さて、肝心の「仕上がり(肌感)」の違いについてです。 講習の中で、油性塗料と水性塗料の塗り板の比較がありました。

水性塗料の塗装面
油性溶剤の塗装面

比較してみてどうだろうか。やはり油性は長年使われているだけあって、「肉持ち感(塗膜の厚み感)」があり、ツヤツヤで美しい仕上がりです。(なかなかグレードのいいクリアーを使っているため少し下駄をはいている)

一方で、水性はというと 少し専門的な表現になりますが、油性に比べると肌感が「しょぼしょぼ」している印象を受けました。油性に比べて水性は粘土が高いので20分ほど時間をかけて徐々に平滑になっていくのだそう。 なので塗った直後はもっとしょぼしょぼとした肌でした。 この時間差の伸びも考慮して塗装時には吹き付けなければいけないので塗装垂れのリスクも考えるとなかなか攻めきれないのかもしれないですね。

【今回の結論】

環境への配慮や時代の流れを考えれば、いずれは完全に水性塗料へ移行していく未来が来るでしょう。AIの活用も素晴らしい技術です。

今のところ「仕上がりの美しさ」「ツヤ感」といった品質面だけで比較すると、まだ油性塗料の方に軍配が上がると私は感じました。また、表面の乾燥作業はいいとして、これが裏側の複雑な形をした部分や、全塗装した場合などは使い勝手はどうなのだろうとそのあたりも興味がわきました。

お客様の大切なお車を直す以上、環境性能も大切ですが・・・なんとも選びがたいというのが職人としての本音です。

とはいえ、技術は日々進歩しています。 毎年参加して進化を見届けて導入していきたいところです。こうした新しい技術もしっかりと勉強しつつ、今できる最高の品質をお客様に提供できるよう、日々精進してまいります!

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